100歳の寝たきりのおじいさん

わたしが、整体の習得コースで勉強していたとき。

先生が、どんどんいろんな人の体を触らせてもらいなさい、見せてもらいなさい、と言った。

それで、帰省の折に100歳になる祖父を見たいと思った。

講義やエクササイズを、「おじいちゃん、こんなのしたらいいかも!」なんて思いながら勉強していた。

祖父は、健康オタクで、身の回りのことも自分でしてシャッシャと動くけど、だんだん弱ってきてるからなあ・・・。

と、2年ぶりに会いに行ったら、なんと、寝たきりになってました(><)

つまづいての転倒で複雑骨折を繰り返し、立てなくなったので、ベッドの上の生活に。

思考ははっきりしてるし、ご飯もしっかり食べる。周りのあれこれもしっかり覚えてて、「これはどうなったんや」と気にかけている。

・・・寝たきりなんて、想像してなかった。

どうしよう・・・寝たきりの人ってどういうの・・・??

 

まゆみさんの「どんな体も、生きてる限り使える部分が必ずあります」を思い出す。

とにかく、見てみないことには、なにも分からないわ、と体を見させてもらうと、元気そう!

骨折して立てないだけで、ほかは元気なんや。ここがこうで、こんなふうでいいと思う! と説明すると、おじいちゃんも、「そうかー」とニコニコ。

でも、何ができるのか、おじいちゃんは何がしたいのか。

このときは、まだまだ勉強途中で、即座には提案を出せなかったので、また明日、とひとまず帰った。

うーん、寝たままでできることで、おじいちゃんのこの体が喜ぶこと・・・

お腹が少し冷たくて、呼吸が浅いなあ、あの姿勢でいつも寝てるしなあ。

複雑骨折してるっていうから、動きに制限あるし・・・。

 

(ノートや、受講生同士のMLを見返す)

パパーン! ありましたー!

骨盤底筋呼吸!!(別名:おまた筋呼吸)

産前産後の女性によく提案するエクササイズです。

「おじいちゃんにできるエクササイズ、あったわ! 寝ながらできる呼吸法!」

横隔膜をしっかり動かすことで腸をマッサージするので、便秘の解消になること、深い呼吸で「心配事の9割が抜ける」ことを説明して、しっかりマスター。

寝たきりになるまでは、テレビで覚えた体操を朝晩やってたけれど、寝たきりになったので、「なにもできなくなった」と思っていたそうで、「わしにできる体操があった」ととても嬉しそう。

そうしたら、その晩はぐっすり寝たようで、夜中に父を呼び起こすこともなかったそう。

(体が動かない分考えるほうにエネルギーを使って、夜中にも心配事がふっと沸き起こったり、便秘が気になったりで、隣に住む父をしばしば呼んでいた。)

翌日、帰るので挨拶に行くと、血色がよくて、目の輝きが違う。握手がとても力強い。声がはっきりしてる。呼吸ってこんなにエネルギーを引き出すんだ。

「墓参りに行きたい!」と言い出して、父は「ついにぼけた?!」と思ったそうだけど、そうじゃない。祖父は力がみなぎって、いくらでも動ける気がして、「墓参りに行ける」と思ったんだ。

その1ヶ月半後、わたしの誕生日に祖父は亡くなった。100歳の大往生。

最後まで、自分の口から食事(流動食)をとり、思考も明晰でした。

寝たきりの姿を見たとき、もっと早くに整体を勉強しておきたかった、と思ったけれど、それを思ってもキリがない。今できること。

できること、あるんや!

100歳のおじいちゃんにもできるエクササイズはあった!

勉強途中のわたしにも、提案できることがあった!

女性の生殖器系課題に多く使うエクササイズが、おじいさんにも使えた!

大発見がいっぱいありました。

 

わたしの整体の相手になってくれて、おじいちゃん、ありがとう。

毎回、その方のお体と向き合うたびに、学ばせていただいている、と思う。その人のからだの歴史の重さに立ち尽くすこともある。それでも、「ひるむな!」と自分を奮い立たせるのは、寝たきりになっていることに衝撃を受けながらも、からだを見せてもらい、必死にケアを考えたあのときの経験です。

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