座る体(ブラジル先住民の椅子展)

東京都庭園美術館で開催中の『ブラジル先住民の椅子 野生動物と想像力』展から。

ブラジル北部の先住民が生活・祭礼などで使う椅子は、動物をかたどっていたり、幾何学模様が施されていたり、とてもユニーク。

ジャガーやバクやアリクイ、サル、ホウカンチョウなど、日本では登場しない顔ぶれの動物にワクワクします。

 

椅子・座る場所は、多くの文化で、地位や役割を示す機能をもっています。(王様の椅子は豪華だし、殿様や帝の台座は一段高いところにあるものですし)

シャーマンの椅子は、鳥のかたちをして持ち運べるサイズ。こちらとあちらを自由に行きかう、シャーマンを象徴しているようです。

 

 

 

わたしが興味を持ったのは、座高15センチほどの低い椅子。これ、どう使うの?

小さい椅子は、集会で女性が使う椅子だったそうです。長座で坐る。

座面の高低でも、女性は男性に従う文化というのが見てとれますが、この椅子を使っている映像から「なるほど、女性は従う姿勢になるわ」と納得させられます。

この椅子に脚を伸ばして座ると、胸を縮めたうつむき加減の姿勢になり、積極的に発言したり行動したりは、しづらい。

もし片方の膝を立てる座り方なら、胸は開き顔は正面を向き骨盤も立つので、座っていた女性の行動や思考のポジションは違っていたかもしれません。

この展覧会はBEI collection のもの。BEI社は、ブラジルの美術・建築関連の出版社で、ブラジル先住民の椅子をコレクションして、その独自の造形美の評価普及に努めているそうです。(BEI collection)

 

館内映像の製作者インタビューでも、「(私たちの椅子は)これまでは、hand craftとして安く買われてきた。しかし我々はこれで生活しているのだ。相応の価値を認めてほしい。製作者一人一人が椅子にこめる思いがある。これはartだ。」

 

展示会に出展して高い評価を得て感激したこと、歴史や文化を説明する語彙が豊かになったこと、もっともっと発信していきたい、と語ります。

 

本展の開催場所は、アールデコ調の建物と庭園が美しい旧朝香宮邸からなる、東京都庭園美術館。展示構成は建築家の伊東豊雄さん。空間と椅子とわたしたちがともにゆったりと対話するような環境で、ここでのこのような展示が実現できたことは幸福だと思います。

展示は2018年9月17日まで。

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